図書館から北原白秋の詩集を借りてきて「思ひ出 抒情小曲集」を読んでいます、幼いころや思春期の柳河のようすが書かれています、
水路 北原白秋
ほうつほうつと蛍が飛ぶ………
しとやかな柳河の水路を、
定紋つけた古い提灯が、ぼんやりと、
その舟の芝居もどりの家族を眠らす。
ほうつほうつと蛍が飛ぶ………
あるかない月の夜に鳴く虫のこゑ、
向ひあつた白壁の薄あかりに、
何かしら燐のやうなおそれがむせぶ。
ほうつほうつと蛍が飛ぶ………
草のにほひする低い土橋を、
いくつか棹をかがめて通りすぎ、
ひそひそと話してる町の方へ。
ほうつほうつと蛍が飛ぶ………
とある家のひたひたと光る汲水場(くみづ)に
ほんのり立つた女の素肌
何を見てゐるのか、ふけた夜のこころに。
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川下りの終点 沖端 造り酒屋を営んでいた白秋生家がある |
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白秋の勉強部屋 |
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