会場の八ヶ岳高原音楽堂では開演前に飲み物と軽食が振舞われます、帰り道の心配がないのでワインをおかわりして飲み開演前にはすっかりいい気持になっていました。
一昨年は外から登場した英哲さん 今年はどこからかしら・・と思っていたらもうすでに壁際にいらっしゃって登場を見逃しました、濃い夕暮れのような 乾きつつある血のような 赤い衣装でした、すっかりリラックスしていたこちらをキリッと集中させるようなオーラがでていて 「槐多」について語りはじめました。 高村光太郎が槐多を詠んだ詩が印象的です。
いつでもいっぱい汗かいている肉塊 槐多。真っ赤な照明のもと英哲さん渾身の演奏がはじまりました、身体がひとまわり大きくなったようです、きっと日々鍛えなさったのだなぁと思いました。 槐多の熱情に負けない太鼓でした、すばらしかったです。
五臓六腑に脳細胞を偏在させた槐多。
強くて悲しい火だるま 槐多。
自然と人間の饒多の中で 野たれ死にした若者、槐多よ、槐多よ。
そのあとも槐多の詩をうたいながら(心から叫びながらといったほうがいいかな) 槐多の世界を表現します、それまで村山槐多のことを知らなかったのですが 槐多の絵や詩や文を読みたいと思って早速図書を借りてきました。
ざっと目をとおしたけれど、セザンヌやゴーギャンを思わせる風景画・人物画はすごいと思います、小説は東京へ帰る道々 トンネル前の渋滞で気分を変えるために 青空文庫を音読しました、なんだろう ラブクラフトの世界を連想しました、怪奇小説風です、おそろしく、おどろおどろしくもあって、時代背景もあるのかしら。。
没後 出版された詩集「槐多の歌へる」に芥川龍之介が書いたという推賞文が 槐多を端的に表しているのかなと思います。
斯くの如く奔放でなければ、斯くの如く謙虚であり得ないかも知れない。この人に傲り天に遜つてゐる作者の心には、直ちに我等を動かすべき藝術の士の尊さがある。しかも作者は僅に二十四歳であつた。この敬虔な牧羊神の歌に同感せざる得ないものは、あながち我等ばかりではあるまい。たったひと夜の英哲氏のパフォーマンス すばらしく貴重でした。
じっくり村山槐多の本を読みたいと思います。
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