2010年9月30日木曜日

湯顕祖の牡丹亭(54)

同里退思園モザイク

「・・・香魂の夢の蝶を・・・(還魂記266頁)」

中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)265~270頁
第54幕 吉報 から

母甄氏と侍女春香に巡りあえた杜麗娘は 柳夢梅が状元に及第することを信じて晴れ着を作っています、そこへ軍校が状元の家へ聖旨を伝えにきます。

軍校は 柳夢梅が状元に及第したこと、また柳夢梅は淮揚で杜安撫の怒りに触れ、墓をあばいた賊と判決をうけて桃の枝でうたれたこと、役人が来て助け出したこと、杜安撫は墓を暴いた盗賊を状元にすることは許されぬと上奏したこと、状元柳夢梅もまた上奏したことを伝えます。
平章(杜安撫)の奏したまいしは 
かれ凶悪の無頼漢 黄泉の人を盗めりと
状元のいいたもうは
われこそは首席及第者 なんの妖気をうけんやと
天子さま聞こしめされ しばし呆然

上奏が聴許になりまして、平章さまと状元、
それにお嬢さまの三人を、御前で対決させ、
そのうえで聖断が下されることになりました。

(甄氏)
娘よ 
簪をば堅く挿し 
天子にまみえ 
塵あげて舞踏し 
花のごとき頬を揺れ
母甄氏の言葉から天子の前で凛と舞う坂東玉三郎さんの杜麗娘を想像したわ Margaret、美しいだろうなぁ。

2010年9月29日水曜日

坂東玉三郎さんの静御前

金糸銀糸で幾何学模様(あぁ模様の名前がわからない)が縫い取られた真紅の打ち掛けで登場した静御前、そこには坂東玉三郎さんというより静御前が在る感覚(あたりまえね Margaret、美しさが半端じゃないの)、「道行初音旅(みちゆきはつねのたび)」は明るくやわらかで流れるような心地良い幕でした。

坂東玉三郎さんの静御前は どこまでもやわらかい のでした、頭のてっぺんから指先やつま先まで一瞬たりとも止まらず微妙に変化しながらやわらかく動くのです。 こんなにやわらかくしとやかな女性はいままでみたことがありません。

それに 海老蔵さんが演じる凛々しい忠信よりもさらに芯に凛々しさを感じさせる静御前(ここがすごいところだと思う)の 主従の連れ舞がすばらしかったわ。

眼福!
眼福!!

2010年9月28日火曜日

とちり席の威力

Margaretが教えてくれたとちり席 それも花道に近い通路よりの席に初めて座り「義経千本桜」の昼の部を観たの・・ Margaret、言葉がないくらいすごい席なのよ、もうこれ以上みつめないで と思うほどなの。

一緒に観劇したPascalは 海老蔵さんと玉三郎さんの二人から10秒はみつめられた と言い出すほど。。
私は視線にびっくりして まさか・・ と前後左右を見回そうとしたけれど ただただ椅子の背に射抜かれたようになってしまって、(あ あの もうすこしひっそり観ていいですかと)視線を逸らしたかったけれど 「そう おまえ そこのおまえ」 と言われた気がして ますますズルズルと椅子から滑り落ちたい気持ちになってしまったのでした。。 Pascalは驚喜して視線をがっつり受け止めたといってたけれど私にはその勇気がなかったの、次回チャンスがあったら正面きって視線を受けとめよう。

Margaret そんなことを思わせるとちり席ってすごいのね、ほんとうに驚いたわ。

2010年9月23日木曜日

湯顕祖の牡丹亭(53)つづき

同里退思園から


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)255~264頁
第53幕 拷問 からつづき

柳夢梅が吊るされ打たれているところへ せむしの郭駝と軍校たちがやってきて柳夢梅をみつけます、郭駝は柳夢梅に逢えて喜びますが 女婿を騙る素寒貧が状元だとは信じられない杜宝はまた柳夢梅を打とうとします、そこへ苗舜賓が来て杜宝に証拠の登科記を見せます。
登科記
帝の親筆 第一席 柳夢梅ぞ梁棟なる
そして柳夢梅に冠服を授けます。身なりを整えた柳夢梅が事情を説明してもなお杜宝は信じないので 仕方なく柳夢梅たちは祝いの宴へ向かいます。

杜宝は黄門官になった陳最良を呼び相談します。
陳最良は杜麗娘が生きかえったこと、女婿が状元の試験に及第したことを話し、いいかげんに認めるように諭しますが・・妖怪のしわざであるから退治いたすが当然と聞く耳をもちません、陳最良は杜宝にことわって上奏することにします。
杜宝
夜 滄州に読みて 怪亦た聴く
関す可し 妖気 文星を暗くす
誰人(たれ)か断じ得ん 人の間(よ)の事
神鏡 高く懸(か)かり百霊を照らす

2010年9月21日火曜日

湯顕祖の牡丹亭(53)

蘇州滄浪亭看山楼


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)255~264頁
第53幕 拷問 から

貧しい身なりの柳夢梅は杜麗娘の父杜宝に女婿と信じてもらえず臨安に送り帰され土牢に入れられています。杜宝は柳夢梅の持ち物を調べ杜麗娘の絵姿を確認しますが それは柳夢梅が墓を暴き盗んだものだと思います。柳夢梅はいかに心をくだいて杜麗娘を回生させたかを述べますが 信じてもらえず 梁に高く吊るされて桃の枝(桃の木は幽霊封じに植える)で打たれます。
(柳夢梅)
令嬢のために われ 絵姿に礼拝して叫び
令嬢のために われ 幽期を展(ひら)かんと
恐ろしきことにふけり
令嬢のために われ 香を焼き墓を開き
令嬢のために われ 霊丹に唾して心孔を活かし
令嬢のために われ 体を温め肌に血の気を通じ
令嬢のために われ 洗い潔めて心さやけくし
令嬢のために われ 情のうち通じ睦みあう
令嬢のために われ 腕ひらきて軽やかに送り
令嬢のために われ 温柔の香 陽気もておさめ
令嬢のために われ 一命なげうち陰き道に入り
神に通ずる力もて 医療ほどこし 
生き返らしめぬ
通ずるは通ぜしも 今に至るに風月の功なし
つづく・・

同里嘉蔭堂から

2010年9月18日土曜日

湯顕祖の牡丹亭(52)

蘇州滄浪亭から


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)251~255頁
第52幕 状元を捜す から

ここは臨安の街、状元の試験を受けたあと 柳夢梅は杜麗娘の両親を尋ねて淮城へ出かけています。

柳夢梅は状元の試験に見事に合格したので祝宴に呼ばれています、本人がいなければ宴が開けないので 軍校たちが街中を捜しています。

そこへ昔広州の果樹園で柳夢梅と暮らしていたせむしの郭駝も柳夢梅を捜して臨安にたどりつき 告示板に尋ね人「状元柳夢梅」の名前を見て驚喜します。
告示板
欽点状元、嶺南の柳夢梅
年二十七歳、中肉中背、色白

一同(軍校二人と郭駝)
柳夢梅よ 天よ
柳夢梅よ 天よ
何度も何度もうろついて
影も姿も見当たらぬ
同里読書橋上のレリーフ

2010年9月16日木曜日

THE LAST SHOW 好きな写真たち

写真集は4月まで堂々と聳えていた歌舞伎座の LAST SHOW なのね。

わたしが好きな写真たちは もちろん坂東玉三郎さんの女暫やるんや八つ橋や揚巻も大好きだけど、ひっそりした 千代 の写真が好き、不思議なことに 江戸の女(ひと)が歌舞伎座の舞台裏(奈落の奥)に紛れ込んでいるようなの、そういう不思議な時間が流れてる写真が好き。

ほとんど暗い劇場の裏、華やかな舞台を支えている男っぽいもの、大きな給湯の 機械と一緒に写る袴姿の玉三郎さん 書割がならんでいるところから出てくる玉三郎さん 、人一人の幅しかない 急階段の中ほどに佇んで すでにその 風景に溶け込んでいる玉三郎さん 、奈落から廻り舞台を見上げた写真(説明を読むまで何の写真かわからなかった)、などなど まぶしいほどの舞台を支えてきたのは俺だ とでも言いたげな歌舞伎座の写真たち。

一番気にいった写真は力強い機械の横に袴姿で柔和に佇む玉三郎さん!、まるで歌舞伎座の一部のようなの、玉三郎さんが。

お誕生日おめでとう

お誕生日おめでとうございます!
今日はいっしょにケーキを食べましょう!

2010年9月15日水曜日

湯顕祖の牡丹亭(51)

同里退思園中庭から


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)248~250頁
第51幕 試験の発表 から

いよいよ 苗舜賓が試験の結果を奏上すると、聖旨が下ります。
朕聞く、李全の賊平ぎ、金兵廻避す。
甚だ喜ばし、甚だ喜ばし。

これすなわち杜宝の大功なり。杜宝はすでに前に旨あり。

陳最良は奔走口舌の才有り。黄門奏事官に充つべし。
その冠帯を賜う。

其の殿試の進士は、中において柳夢梅を状元とすべし。

金瓜の儀従は杏苑に宴に赴き、恩を謝せよ。
李全から投降の書状を持って帰った陳最良は昇進して冠帯を着けました、状元に名前がでた柳夢梅は自分(陳最良)のよく知っている男で、妻がいると聞いて石道姑といっしょになったのだろうと思います。
実はその柳夢梅は、わたくしとも旧知でございます。

2010年9月14日火曜日

漢字



前の投稿につけた 蘇州滄浪亭で撮った写真の、円い門の上にある二文字がどうしても解らないの、Margaret いかが? 解ったら教えてね。

2010年9月12日日曜日

TBS牡丹亭特別番組

蘇州滄浪亭から


中村獅童さんナレーションの牡丹亭特別番組「坂東玉三郎、究極の愛。新たなる美への挑戦」を見ました。

3年に及ぶたいへんな日々を「苦痛じゃない困難、楽しい困難を乗り越えて幕を開けることがすばらしいこと」と語る坂東玉三郎さん、そのポジティブな精神力にまたまた脱帽してしまいました。

う~む 楽しい困難かぁ 日々の暮らしに疲れていても玉三郎さんの舞台を見に行こうとなんとかやりくりするのは確かに楽しい困難だわ。 坂東玉三郎さんの杜麗娘は困難を乗り越えて挑戦する強い心と精進のたまもの!!なんですね、楽しみです。

番組を見ながら 映画「さらば、わが愛 覇王別姫」で牡丹亭を舞った張國榮 レスリー・チャンを想ったわ、なぜって今日はレスリーチャンの誕生日。
主人公の京劇女形の蝶衣、「蝶衣の役はあなたが演じるほうがふさわしい」と張國榮 レスリー・チャンは坂東玉三郎さんに語ったとか、生きていれば現実に牡丹亭を歌って舞い踊る玉三郎さんの杜麗娘を見ることができたでしょう。

牡丹亭還魂記第25幕では亡き杜麗娘の誕生日に母甄氏と侍女春香は灯明を燈し香を焚いて礼拝していました。 
7年前46歳で亡くなったレスリーのために今日は花を捧げ 灯りをともし 香を焚いて 静かにレスリー・チャンを想いました。

2010年9月11日土曜日

湯顕祖の牡丹亭(50)

蘇州昆劇博物館から


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)240~247頁
第50幕 宴席をさわがす から

一通の書面で敵軍の包囲を解いた杜麗娘の父杜宝は例年より盛大に太平宴を催しています、そこへ伝令がきて
勅旨を以て閣下を朝廷にご召還、同平章軍国大事に昇任せしめられ、夫人には一品貞烈夫人をご追贈の由でございます
と杜宝の昇進・帰国の命を伝えます。

文武官一同が杜宝を寿ぐなか、柳夢梅が杜宝に面会を求めて門の外で騒ぎを起こします、騒ぎは何事と問えば
朝参りました嫡親の女婿という、どうにもならない奴でございます。ぼろぼろの着物にぼろ帽子、ぼろ包、ぼろ傘、という身なりで、手にぼろ絵を一幅もっておりまして、腹が無茶苦茶に減ったと申して、宴席に乗り込もうといたしました。なだめますと、殴りかかりまして、わたしの顔の半分だけを残して、続けざまに九つ半殴りました。
柳夢梅は杜宝から「何処の素寒貧がでたらめを言うのだ」と縛られて臨安へ送り返されることになりました。
柳夢梅
うむ、冤罪だぞ。ああ、妻よ。
たとえ見映えが良くても すでに亡くなっている娘の婿と名乗られて そうですかと信じるはずもないわよね Margaret.

2010年9月10日金曜日

今日のワンポイント

構えについて

まっすぐスクエアに構えましょう、(右を向いてますね~)
体重は土踏まず後ろより、重心を足首におく感じです。

背骨に直角に肩を回すんですよ~、肩が下がらないように。

フィニッシュの型 を意識してそこまでフルスイングしましょう、
インパクトのスピードを最適にするためです。
(このスクールでは全員美しいフィニッシュをとるように)
シャフトプレーンを意識してくださいね~

友は言うわ、良く振れたとき 意識しなくてもフィニッシュの型がとれて しかもゆっくりボールの行方をながめていられるのよ と、う~む 自分はまだだわ、左ひざは悲鳴をあげるし、右足裏は攣りそうに、腰は音がするようなの・・

2010年9月9日木曜日

弥勒菩薩の手@時泥棒

TBSラジオ「時泥棒」は流れるように楽しいお話が続いてアッという間に終わりました。

ゲストの手を見る「お手を拝借」のコーナーで山中さんが坂東玉三郎さんの手と自分の手を合わせて「大っきいですね~」と。 僕は実は手が大きいという玉三郎さんは「手を仕舞う」ことに苦労されたそうです。

京劇の手の形は仏教のお釈迦様が印を結ぶ形から来ているそうで 「男の手を隠す」その手の型を山中さんの前で披露します。
ほんとに弥勒菩薩の指だ、うれしいな~ 
今、目の前で玉三郎さんがちゃんと女形の指をやってくれてるんです!
ほんとにしあわせだな~
ああいいな、見たいなぁ、「見える所でやらないのがいいんです、冗談です」って・・牡丹亭東京公演でたっぷり見れますね。
しかし玉三郎さんの話し声はなんとも素敵。 

2010年9月8日水曜日

湯顕祖の牡丹亭(49)

中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)235~240頁
第49幕 淮安の宿泊 から

たったひとり包みと傘だけの旅支度で杜麗娘の父がいる淮城の城下町へやって来た柳夢梅は宿をとろうと思います、しかし旅費といっても墓から持ちだした零細な宝物は底が知れていて 傘や水銀や破れた本や開いた筆では誰も食事を出してくれません。柳夢梅は自分は杜安撫の女婿だといいますが 宿の主人は下の告示を指さして柳夢梅を追い出します。
間遊姦詐を禁ず
蜀(杜安撫の生まれ)より来りしわれ 
万里を家とす 子や甥を役所に伴わず 
女婿と名乗り うろつくもの今までになし

もし偽り騙るあらば 組頭に告げて捕えよ
もし宿泊に力をかさば 主人も同罪 
ここに周知せしむ(杜安撫の花押)
仕方なく近くの祠の廊下に休み、雨で顔を洗い翌朝の開門を待つことにします。
同里特産豚の照焼

柳夢梅は食べたかったろうなぁ。
同里土産は豚の照焼が有名らしくたくさんの店で売っていたけれどあまりに人工的にピカピカに仕上がっていて眺めただけ・・かぶりつくなんてお行儀が悪いよね Margaret.

2010年9月7日火曜日

誕生中国文明特別展(1)

中国文明発祥の地 河南省で出土した名品の展覧会に行きました。
夏王朝はなんと起源前2000年! 紀元前の青銅器をみてその古さと技術力に感心しました、造形も魅力があります、蘇州の昆劇博物館にある楽器「編鐘」のルーツはすでに紀元前11世紀にあった「鐃(どう)」なのね、歴史を感じるわ、ちょっと叩いて音色を確かめておけばよかった。 10月に行われる坂東玉三郎さんの日中版「牡丹亭」公演でこの楽器は使われるかしら?

蘇州昆劇博物館編鐘


西周時代(前11世紀)の青銅製の蓋付手提壷の蓋の内側にはすでに銘文が刻まれていました。 卜骨(ぼっこつ)に刻まれた文字は前13世紀、私はそこで生まれた文字をいま使っているのね、と感動して売店で白川静先生の本を購入したわ。

2010年9月5日日曜日

湯顕祖の牡丹亭(48)

蘇州滄浪亭回廊


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)227~235頁
第48幕 母と子の奇遇 から

ここは臨安 杜麗娘にたのまれて柳夢梅は父母の様子をみに淮城へでかけています、部屋の油をきらして暗いので石道姑に油をたのみ 杜麗娘は月を見ながら柳夢梅に想いをはせています。

そこへ杜麗娘の母甄氏と侍女春香が戦の難を逃れてやってきます、たまたま開いていた扉から入り 月明かりに照らされた女性をみて 杜麗娘?いや杜麗娘の幽霊にちがいないと思います。杜麗娘も二人の旅人が母と侍女にそっくりなのでおどろき どこから来たのか尋ねます。互いに信じられない気持ちでいるところへ石道姑が帰ってきます、
石道姑(甄氏を引張って、麗娘を照らす)
疑うをやめよ 燈火を近寄せ
月の光に詳しく見よ 
そのかみの人の面輪を
石・杜
そのかみの人の面輪を

甄氏(麗娘を抱いて泣く)
三年の間の腸断つ思い 
海に堕ちし明珠の いかで再び還り来んや
甄氏と春香は「梅」と「柳」の字がある書生の柳夢梅が墓を堀り杜麗娘を回生させたことを聞きます、
甄・麗
今宵はいずれの年ぞ 今宵はいずれの年ぞ
今し相逢えるも 夢にあらずや

石・甄・春
かかる奇縁 かかる奇縁
輪廻にまされり
蘇州昆劇博物館模型から

2010年9月3日金曜日

PAPUA NEW GUINEA DARK 64%



ベルギーのブリュッセルにあるチョコレートショップ“DUVAL CHOCOLATE”が3月から日本に上陸しているらしい、ベルギーの交換留学生からもらったこのチョコレートが本当に美味しいわ。 甘さは極くひかえめだけれど カカオのほっくりした味わいが生きていて大地の味がするの、説明文には、
ココア豆が生産される熱帯雨林の気候・地質の香りを一粒に凝縮できるよう、厳選されたカカオを使用し、濃厚な旨み・苦み・甘み・を一気に舌で感じさせてくれます
HPには9種類のORIGIN CHOCOLATE + BIOがあります、手元にあるギフトセットは下の4種類、インターネット販売も予定されています。

●ECUADOR DARK 71% 
(天然カカオの抜群の芳ばしさとオリジナルチョコレートの香りが楽しめます)
●COSTA RICA DARK 64% 
(独特の苦さを持つ強いダークチョコレートです。スモーキーな木の香りがチョコレート一粒にギュッと凝縮されています)
●PAPUA NEW GUINEA DARK 64% 
(酸味のあるカカオ味はこの地域の特徴がいかされたチョコレートです。さらにスモーキーな香りが赤ワインとの相性を抜群にしています)
●PERU DARK 64% 
(ドライフルーツの香りは、フレッシュ感覚を持つチョコレート、芳醇な苦みを持つ、カカオ独特なテースト)

2010年9月2日木曜日

湯顕祖の牡丹亭(47)

蘇州滄浪亭の大樹


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)220~227頁
第47幕 包囲を解く から

杜麗娘の父杜宝が守る淮城を兵糧攻めにしている溜金王李全の心もちとしては 杜宝の援軍が大挙して攻めてくるのではないか、また日が経つのに功を挙げられない自分が金から責められるのではないかと内心進退きわまったと感じていました。

そこへ金から使節が到着します、言葉が通じないので通訳を介してもてなしますが 使節は妻楊氏の歌や踊りがいたく気に入り夜の相手をしろと無理を言い出します。怒った李全は鎗で使節をからめ倒します、
貴様の赤ひげ踏みつけ 
腥(なまぐさ)き喉もと
生きながら締め殺さん
楊氏は使節を逃がしますが李全は金がこのことを知ったら安穏では済むまいと思います。そこへ淮城から陳最良が書面を携えて帰ってきます。杜宝が書いた書面には 
代々御高誼の杜宝、李王の麾下に頓首す
もう一通の夫人への密書にも
代々御高誼の杜宝、楊女王の帳前に斂袵(れんじん:えりを正す)す
杜宝、久しき以前より 大宋に奏上し、勅して夫人を封じて討金女王の職と為す
 と書かれていました。
(楊氏)
わが冠の上の黄金は輝きを増すであろう。
妾は帯甲の女王じゃ。近ごろ、妾の髪飾りや氈帽から兜までも、南朝風に一揃造って届けて下され。あなた(夫)も討金王になられましょう。
(李全)
ありがたくお受けしよう。
大宋朝に帰順せん 金家あるいは禍苗をなさん
一辺の金を失うただけで、二つの王位を得たぞ。
(楊氏)
三軍の者ども。われらは南朝に帰順することになった。しばらく淮城の包囲を解き、海上へ情勢をうかがいに行くぞ。
こうして淮城の包囲は解かれたのでした。