2017年12月27日水曜日

瞼の母@十二月大歌舞伎

2017.12.11
2017.12.16
2017.12.26
歌舞伎座 第三部 
一、瞼の母
水熊のおはま 坂東玉三郎
番場の忠太郎 中   車

忠太郎はどれほど母を探し求めていたか・・。
登場する半次郎の母おむら・三味線を弾く老婆・夜鷹のおとらと忠太郎の会話から 子を想う母の姿が前半の伏線で示される、ところがやっと母に巡り合えた段で とんでもないことに忠太郎は母に拒絶されてしまうのだ。

このどんでん返しのような場面 玉三郎さん演じるおはまの氷のような冷たさが唸ってしまうほど好きだ、娘のお登勢がいくら可愛いとはいえ人情の篤い江戸の人がここまで拒絶できようか? 母おはまは煙管を落としたところからもう忠太郎は我が子だと直感で知ったと思う、それなのに忠太郎の言い分を頑として聞かない、火鉢にもたれて耐えているように見えるが口から出てくる言葉は他人行儀な「忠太郎さん」だ。

おはまの拵え 鯉の滝昇りの図案が洒落て染められた羽織りに縞の着物、小紋の裏地 絞りの半襟など 大店の女将の貫禄がすばらしい、それに加えてあの冷たい台詞まわしは いいなぁ! ほんと憎々しく感じてしまうほどだ。

友の反応が面白い、とても涙とは無縁に思えていたクールな若い男性は号泣したし そんな(号泣するほどの)泣ける場面ありましたっけというお嬢さんもいた 私はうるうるぽろぽろでございました。
一途な忠太郎さんすばらしかったです。

0 件のコメント: