2015年11月18日水曜日

白秋生家@柳川2015.11.3

北原白秋の詩は水墨集の月光微韻が好き(ほかは読んでいない^^;)、あの感受性を育てたのがこの風土だったのねと柳河を訪ねて感慨深かったです。
図書館から北原白秋の詩集を借りてきて「思ひ出 抒情小曲集」を読んでいます、幼いころや思春期の柳河のようすが書かれています、
水路               北原白秋

ほうつほうつと蛍が飛ぶ………
しとやかな柳河の水路を、
定紋つけた古い提灯が、ぼんやりと、
その舟の芝居もどりの家族を眠らす。

ほうつほうつと蛍が飛ぶ………
あるかない月の夜に鳴く虫のこゑ、
向ひあつた白壁の薄あかりに、
何かしら燐のやうなおそれがむせぶ。

ほうつほうつと蛍が飛ぶ………
草のにほひする低い土橋を、
いくつか棹をかがめて通りすぎ、
ひそひそと話してる町の方へ。

ほうつほうつと蛍が飛ぶ………
とある家のひたひたと光る汲水場(くみづ)に
ほんのり立つた女の素肌
何を見てゐるのか、ふけた夜のこころに。
川下りの終点 沖端 造り酒屋を営んでいた白秋生家がある

白秋の勉強部屋

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