2017年2月2日木曜日

お静の方@井伊大老・壽初春大歌舞伎

お静の方は若いころに知り合ってからずっと井伊大老につれ添った方ですが 正室ではなく側室の立場、しかし心からお互いを理解し深い絆で結ばれています。

逢うは別れの始め 縁を結ぶとき別れがくることになかなか考えが及ばない、幸せなほど辛いことが増すなんて・・悪魔の仕掛けのようです。。
誰もが経験しなくてはならない辛い別れを前に 静かに深い想いに包まれた時間が舞台で描かれます。

でもこのお話で何をみればいいのでしょう、偉い政治家の裡の姿? 側室の優雅で恵まれた暮らしぶり? 二人の愛情・悲しみ?
昔 実家のお隣は誰だかの「側室」のお家でした、時々黒塗りの車が横付けされ お帰りのときはお辞儀をして車を見送る光景を見たことがあります。
庶民の私からは遠い世界ですが 遠いならもっとかけ離れた異界の心躍るお話のほうが好きかなぁ。

しかし 坂東玉三郎さんは美しく可愛らしかったです、薄紫のお着物、また晩に羽織る打掛がすばらしく 実物を間近にみたいと思いました。 絹地の色、松、小さな色とりどりの葉(楓?蔦?葵?)に 流れ下るような水の流れ が刺繍なのか染なのか とてもすばらしい芸術品なのです、裾やおくみの色も温かく品よく 偉い方の側室ともなればお着物もすばらしいのね と感嘆したのです。

はたして お嬢様や旦那様を亡くすこの辛い話に「壽初春」を感じられた?と友と話しました。

0 件のコメント: