2017年8月1日火曜日

能・宝生流 融(とおる)@蝋燭の灯り

2017.6.29
国立能楽堂
◎蝋燭の灯りによる
融(とおる)
前シテ 老人 金井雄資 能面:三光尉
後シテ 融大臣 金井雄資 能面:中将
大鼓 亀井忠雄

およそ30本の背の高い燭台が舞台・橋掛かりの周りに設けてあります、蝋燭は和紙で見えないのですが灯が入ると良い感じに明るくなります、席から揚幕は遠いので融大臣はもう揚幕の陰と一体化し溶け込んでいるようにみえます、なるほど蝋燭の灯りは幽霊にふさわしい! 

前シテの三光尉の面をつけた老人、尉面は結構好きです、酸いも甘いも人生の経験を刻んだ豊かな 微笑んでいるような辛そうな皺がいい、その老人が天秤竿についた二つ桶で汐汲みをします、歌舞伎舞踊で玉三郎さんの汐汲みを見たことがありますが 月明りのなか地味な老人が汐を汲むのですが風景(六条河原)がざーっと広大に見えるのはどういうことかしら、能て面白い。

後シテの中将の面をつけた在りし日の融大臣が舞い 夜明けの光とともに消えていきます、なんとも儚い。
蝋燭の灯りによる今回の能はいつも有難く思っている前席背にある字幕サービスがなかったので詩の理解がいまいちできなかったかな。。

0 件のコメント: