国立劇場小劇場
生写朝顔話
宇治川蛍狩りの段
明石浦船別れの段
浜松小屋の段
嶋田宿笑い薬の段
宿屋の段
大井川の段
宮城阿曽次郎 吉田玉男
秋月娘深雪 吉田一輔
文楽を観るのもまだ数度という初心者なもので 「生写朝顔話」 の阿曽次郎と深雪のお話についていくことに精一杯でした。
が 最後の大井川の段ですべてがつながりカタルシスに、泣くつもりもなかったのに気が付いたら涙が溢れていました。
増水して渡れなくなった大井川を前に絶望した深雪の身体ごとの嘆き 身を投げんばかりの悲しみがグサリと胸に刺さります、一瞬 日高川入相桜の玉三郎さんの人形振りを思い出しました。
出逢いのときに金地に青い朝顔が描かれた扇に阿曽次郎が書きつけた句を唄いつづけることで再会を願う深雪のけなげさ、強さ に感動します。
露の干ぬ間の朝顔を、照らす日かげのつれなきに、あはれ一村雨のはらはらと降れかし金地に青い朝顔の扇に黒い墨で上の句がしたためられた扇が印象的です、後の宿屋の段ではそれが屏風に作られていて 阿曽次郎が気付くのでした、よくできたお話だと思いますし、太夫さんたちの渾身の語りと人形を操る方々の素晴らしさに目を開かれた思いです。
0 件のコメント:
コメントを投稿