2019年1月16日水曜日

イアン・ボストリッジ@都響#872マーラー2019.1

2019.1.15
東京文化会館
東京都交響楽団
イアン・ボストリッジ
マーラー「少年の不思議な角笛」より
 ラインの伝説
 魚に説教するパドヴァの聖アントニウス
 死んだ鼓手(1899年)
 少年鼓手(1901年)
 美しいトランペットが鳴り渡るところ

久々のボストリッジさまの公演です、細身の黒のスーツに身を包んだボストリッジはなんだか時を遡っているような 元々とてもスリムですが更に二回りくらい細くなった感じで髪は短く整えられ非常にスタイリッシュに感じました、昔 友に言われたの「またぁ…イケメンじゃないの」全然イケメンと感じたことはなかったんだけど、もしかしたらそうだったのかもと思いました。
「少年の不思議な角笛」詩集は、アヒム・フォン・アルニム(詩人/1781~1831)とクレメンス・ブレンターノ(詩人/1778~1842)が収集編纂した古ドイツの民謡集であり、1806~08年に出版されている。交響曲でいえば第4番が作曲された1899年あたりまで、グスタフ・マーラー(1860~1911)はまさにこの詩集に取り憑かれており、この時代の彼の創作のすべての源泉が「少年の不思議な角笛」にあると言っても過言ではない。(プログラム17ページ 岡田暁生氏の文章より引用しました)
マーラーの「少年の不思議な角笛」全12曲を聴いたことはなくて今回の5曲に不思議な角笛はでてこなく 内容はとても現実的というか 「メメント モリ 死を想え」を歌っていました、ボストリッジさまの短調に写ろう繊細さや美しさが好きなのですが 今回は強く強く戦争の悲惨さを身をのけぞらせまた身を折りながら劇的に表現してくださいました。

戦いは地獄への行進であって少年兵の鼓手は砲弾を浴びながらも突き進みます、そして「Gute Nacht! さようなら」と繰り返し 死んでゆきます、最後の「美しいトランペットが鳴り渡るところ」は明けきらぬ早朝 恋人と別れ緑に輝く「荒野」の戦場に向かう場面なのです、しかしマーラーの旋律は美しいです。。

ボストリッジさまは憂いている と感じます、時は過ぎてゆくのにまだまだ悲惨な戦場はなくなっていませんもの。

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