2010年5月26日水曜日

湯顕祖の牡丹亭(23)

中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)97頁
第23幕 冥府の裁判 から

冥府、ここは第十地獄 判官が亡者の帳簿を調べています、杜麗娘の番ですが判官は一度の夢で死ぬ者があるとは信じられず花神を呼び出し事情を聞きます、更に極秘の婚姻簿を調べて
柳夢梅 妻は杜麗娘、前には幽歓にかかり、後には明配をなす。相会うは紅梅観の中にあり
とあるのを読んで判官は杜麗娘を放免することにします。下は今でいう判決文かしら
(判官)
欲に燃ゆる炎の 乾ける柴に近づく
しばらく青山を留めたり 
雨風いとえ 日にさらさるるな
月にそい星に依り 天地をば拝せよ
魂魄のかえるにまかす 地獄の帳簿より脱れ
生をうくるに 胎内に入るを免る
花間の四友を遣わし
鶯と燕にうかがわせ 蜂と蝶とに媒(なかだち)させん
かの棺を破る星 円かなる夢のうち 
かの人の来るべし
これから柳夢梅と幽霊の身の杜麗娘の逢瀬のものがたりがはじまるのね。

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