2013年12月28日土曜日

坂東玉三郎さんの遊女おかる

十二月大歌舞伎夜の部は三回観ました。
一度目はおかるの可愛さ・健気さに心を奪われ、二度目はおかるの置かれている立場が胸にせまって悲しくて涙がいっぱいになりました。
三度目は千穐楽でしたが 玉三郎さんの完璧さを十分に味わいました、特に声でしょうか、聴いていてうっとりしました。鈴のような美しい声に口跡というのかしら、台詞廻しと「間」に聴き惚れました。
由良さんかアイ、わたしやお前に盛り潰され、あんまり辛さの酔ひ醒まし。風に吹かれてゐるわいな 
 から始まって 下の科白まで 嬉しいことに仮名手本忠臣蔵七段目には遊女おかるの科白がたくさんあります。
自害したその後で、首なりと死骸なりと功に立つなら功にさんせ。さらばでござる兄さん
そして美しいゆび先にも集中しました、
サ お前のは嘘から出た真ぢやない。真から出た皆嘘 
柔らかな美しい声で み~んな うそ と 由良さまに向けるひと指しゆびの色っぽいこと。唇にのせた紅の描きかたもほんとうに可愛い!セリフだって真似て遊ぶのはとても面白いわ 「あるぞえ あるぞえ」「忝うござんす」「エヽ聞こえた」などいろいろと。(科白は「ようこそ文楽へ」の床本集のページから引用しました)

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