2010年11月23日火曜日

坂東玉三郎さんの牡丹亭香港公演つづき

セントラル(中環)に掲げられた新視野藝術節の旗


劇院にはパネルが展示されていて パネルの玉三郎さんと一緒に写真を撮る方がたくさんいました。


葵青劇院は赤坂ACTシアター(1324席)より小さい903席の劇場で ローマの円形劇場のように舞台を囲み傾斜をつけた席の配置になっていてとても見やすかったです(席の列が一から終りまで隙間なく続いているので中央から出にくいが)、なので 舞台と客席が一体になったように感じました。

香港は広東オペラ(粤劇)が親しまれているせいか 観劇を楽しむ姿が印象的でした、例えば「写真」の幕、春香が痩せてしまった杜麗娘に気づいて
まあ!お嬢さま、一夜のうちに、こんなにおやつれになって!
というセリフに笑いが起きます、たしか赤坂では笑い声は起きなかったと思うのですが 香港の方々のリアクションは速くて素直、堅苦しくなくリラックスして見ていたように思います。

香港では回生する場面は 舞台うしろの黒いビロードのような幕がするする揚り 背を向けて跪いている紅い旅支度の杜麗娘の玉三郎さんが立ち上がる演出でした。

その黒いビロード(かどうかわからないがツヤ消し)の幕と演者にあたるスポットライトがとても効果的で舞台を覗いてるような気分になりました。
たぶん昔 夜に 貴族たちが自宅に俳優を招いて牡丹亭を演じさせたら こんな感じになるのかしらと。

玉三郎さんはじめ俳優の皆さんはとてもお化粧のノリがよくふっくらして「きれい!」

初日の客席には八千代座の流れからか ダークなスーツに真っ白なシャツがさわやかな中村獅童さんの姿がありました、ここでお見かけできるとは。

連日最後はスタンディングオベーションで「好!」の掛け声も飛び 拍手喝采は鳴り止みません、カーテンコールは3日とも3回、玉三郎さんが「牡丹亭上三生路」と高らかに歌って締め、最終日はことに嬉しそうなお顔で春香役の沈国芳さんを抱き寄せ 観客の声援と拍手に応えていました。玉三郎さんが胸の前で小さく両手を合わせ 方々へお礼をするように頭を下げる姿が忘れられません。

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