2012年12月29日土曜日

羆の毛皮

小説や戯曲を読んでも泉鏡花の「日本橋」の世界をあそこまで想像できないわ、今回舞台をみて具現化された泉鏡花のピュアな世界を存分に楽しめてほんとうに嬉しい。

想像と違っていたのは 傳吾のシンボルともいえる羆の筒袖かな。 
ふさふさでなくてマタギが着るような黒味がかったこわい毛の 少し油っぽく汚れかげんで 毛がねているけれどはねているような、なんともしつこそうな野性味のあるものを思っていたのだけれど。
もくもくとして肩も胸も腹もなく、ずんぐり腰の下まで着込んだのは、羆の皮を剥いた、毛をそのままにした筒袖である。(小説日本橋より)
友がいったわ、「猟師やマタギじゃないんだから・・」 たしかに本を読めば「赤熊」だし 傳吾は商家を立派に経営(?お孝に会うまでは)していたのだからふわふわでいいのね。

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