2018年2月24日土曜日

熊野 花之留 @ 能 金剛流

2018.2.16
国立能楽堂
熊野(ゆや)花之留(はなのとめ)金剛流
シテ 熊野 金剛永謹 面:孫次郎(河内・作)
ツレ 朝顔 金剛龍謹 面:小面(近江・作)
ワキ 平宗盛 殿田謙吉
作り物 牛車

静岡県磐田市で坂東玉三郎さんの「熊野」を観ていたこと、博多座で玉三郎さんの船弁慶を観た思い出に小さな博多人形を買ったのですが船弁慶がなくて熊野を選んだので ぜひ能の「熊野」を観たいと思いました。
孫次郎の面と唐織をまとった熊野はたいへんに品がありました、すばらしかったです。
母を見舞いたいけれどなかなか許しがでないとき花見に出かけ そこで詠んだ詩が平宗盛の心を打ち 暇(いとま)をいただけることになったお話です。
「熊野御前花見」下村観山 1894 (左)
能楽堂2018年2月プログラムより
平宗盛が気落ちしている熊野を慰めようと牛車をしたてて出かけます、赤い布できれいに仕立てられた作り物の牛車に熊野が入り京都の街を行くさまは 一緒に旅しているように楽しかったです、地謡が歌う春の京の景色がすばらしい。
げに長閑(のどか)なる東山・・
四条五条の橋の上・・
河原おもてを過ぎ行けば・・車大路や六波羅の地蔵堂
愛宕の寺も打ち過ぎぬ、六道の辻とかや・・
心ぼそ鳥辺山・・ (プログラムより抜粋)
みごとな花のなか熊野が舞っていると村雨が降り花を散らしてしまいます、
なうなうただ今の村雨に花の散り候ふはいかに
今までは盛りと見えつる花を散らすは、あら心なの村雨やな
春雨の
いかにせん、都の春も惜しけれど
馴れし東の花の散るらん (プログラムより抜粋)
暇(いとま)を許した宗盛が心変わりしないうちにと熊野は東国の母のもとに足早に去って行くのでした。
一足早く京都の満開のお花見をした気持ちになりました。

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