2011年4月1日金曜日

花柳壽輔@耳無し芳一

日舞を見るのははじめてで何の知識もなく 花柳流宗家家元しかも傘寿ということで すでに頭の中にイメージされていた先生ですが 坂東玉三郎さんが特別出演される「耳無し芳一」が始まり ひとり広い舞台の中央に座る家元・芳一のたたずまいに この方は・・?!と思いました。 
舞踊が始まり とても傘寿とは思えない身体の動きや踊りにこめられた思いの強さに 家元はすばらしい表現者! と気づき、それまでのイメージが吹き飛びました。

「耳無し芳一」は見ごたえがありました、なんといっても 花柳壽輔氏・坂東玉三郎さん・林英哲氏(大太鼓)・唯是震一氏(音楽)それぞれの飛び抜けた才能のコラボレーションがすばらしく 無駄がそぎ落とされた非常に現代的な 一夜限りの贅沢な舞台でした。 

あの世とこの世の境になった壇ノ浦の茫々たる海辺で 平家の亡霊(女人の坂東玉三郎さん)と類稀な琵琶法師(花柳壽輔氏)が繰り広げる魂の物語、いったい何分の舞踊なのか 幕が閉じるまで一気に魅せ こちらも魅入ってしまいました。

芳一の耳をひきちぎるのは屈強な武士の亡霊と思い込んでいた私は 帝を守るそれはそれは美しい坂東玉三郎さんの女人の亡霊が芳一の耳をひきちぎり袂に入れる場面に息を呑んだのでした。。

プログラムによれば2月の博多座公演の「将門」は家元の振付だったそうです、今月の京都南座の「将門」もそうかしら 楽しみです。

0 件のコメント: