2012年2月5日日曜日

夜叉ヶ池@行徳朗読公演

夜叉ヶ池の凛とした白雪姫を聴きたかったの、姥と白雪姫の会話もよかったし、百合の子守唄で白雪姫の心が落ち着いてゆくところもよかったわ。
白雪 
ええ、煩(うるさ)いな、お前たち。
義理も仁義も心得て、長生(ながいき)したくば勝手におし。
生命(いのち)のために恋は棄てない。
……お退(ど)き、お退き。
お退きというに、え……

諸神、諸仏は知らぬ事、天の御罰(ごばち)を蒙(こうむ)っても、白雪の身よ、朝日影に、情(なさけ)の水に溶くるは嬉しい。五体は粉に砕けようと、八裂(やつざき)にされようと、恋しい人を血に染めて、燃えあこがるる魂は、幽(かすか)な蛍の光となっても、剣ヶ峰へ飛ばいでおこうか。
と晃然(こうぜん)とかざす鉄杖輝く
青空文庫「夜叉ヶ池」から

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