私は立派な白鷹を手にとった富姫が忘れられなかったけれど それもじっくり見れたし、恋に落ちてゆく富姫、のぶすまという物の怪の姿、凛々しい図書之助、桃六の力で成就する恋をたっぷり見ることができました。
富姫が薄(すすき)に心情を吐露するところがほほえましい。
夫人・・真(まこと)の恋は、心と心、……(軽く)薄や。青空文庫「天守物語」より
薄 は。
夫人 しかし、そうは云うものの、白鷹を据えた、鷹匠(たかじょう)だと申すよ。――縁だねえ。
薄 きっと御縁がござりますよ。
夫人 私もどうやら、そう思うよ。
薄 奥様、いくら貴女のお言葉でも、これはちと痛入(いたみい)りました。
夫人 私も痛入りました。
薄 これはまた御挨拶でござります
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