2012年2月25日土曜日

海神別荘@シネマ歌舞伎

メイキングの玉三郎さんがテキパキと指示をだしていて貴重な映像だわ。

美女が女房の先達でやってくる海中の輿入れの場面が ゆらゆらゆれて美しい、(いまさらですが)女房はル テアトル銀座の初春公演 妹背山婦女庭訓で求女・淡海をなさっていた市川笑三郎さんでした、品がよく 姿も美しく 声もとおり 海の流れにゆれる輿入れの場面がとてもよかった。

美女は公子自らの手にかかって処刑されようとするあの一瞬に すべてを理解して受け入れ さらに公子を愛するようになったのね、もういちどあの場面をみたいわ。
(公子、頷(うなず)き、無言にてつかつかと寄り、猶予(ためら)わず剣(つるぎ)を抜き、颯(さっ)と目に翳(かざ)し、衝(つ)と引いて斜(ななめ)に構う。面(おもて)を見合す。)

 ああ、貴方。私を斬(き)る、私を殺す、その、顔のお綺麗さ、気高さ、美しさ、目の清(すず)しさ、眉の勇ましさ。はじめて見ました、位の高さ、品の可(よ)さ。もう、故郷も何も忘れました。早く殺して。ああ、嬉しい。(莞爾(にっこり)する。)

青空文庫 海神別荘より

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