2014年6月13日金曜日

坂東玉三郎さんの聞得大君誕生@南座

新作組踊「聞得大君誕生」はとてもよかったです、昨年(平成25年3月)国立劇場で拝見したときは音智殿茂金(うとぅちとぅぬむいがに)と伊敷里之子(いしちさとぅぬし)の恋の踊りにうっとりしたのですが 今回は玉三郎さんの存在感をひしひしと感じたのでした、特に聞得大君になってからの姿が神々しくて 人間の世界を諦めて神の言葉を伝えるという一種異界の人になってしまったのだと感じました。 

衣装もほんとうに美しく 紅い一輪の花をさし 金色の巻き毛のような髪飾りや紅白がまじった髪飾りも 紫の鉢巻?も 玉三郎さんの美しさをさらにひき立てます、お肌はつやつやで目元は沖縄の方々に負けずとも劣らないくらいパッチリとしていて ほんとうにとってもきれいだったのです。
沖縄のあの色彩に負けていませんでした、特に黒地満面印金牡丹文様の打掛をつけた玉三郎さんはほんとうに聞得大君きこえおおきみ(ちふぃいじん)でした。。
舞台が玉三郎さんの存在感(オーラ)でいっぱいになりました。

ひとつの演目になったのだわ と思いました。

伊敷里之子(いしちさとぅぬし)を演じた川満香多さんのゆびがとても長くてきれいで 浮世絵でみる手がそこにあるのにすこし驚いてうれしくなりました。
山原の神女ノロと巫女ユタの争いはきっともっともっと呪術的で暗くて怖いのだろうなぁ それだけで一幕できるかな と怖いもの見たさに思ったのでした。
三良とカミジャーの掛け合いはお話の説明にもなっていて昆劇「牡丹亭」にでてくる楽しい石道姑に通じるものがあるわと思いました。
南座での席はとても良いお席だったのですが 舞台がさらに高くなっていたのかちょうどあの美しい紅の足先の運びが見えないときが多くてかなり残念!と思いました、あの独特の足さきの運びを堪能できたら完璧でした。
音楽はただただすばらしい!
幕になったとき こころからの拍手を送りました。
2014.6.10

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