2014年6月24日火曜日

地唄三題@坂東玉三郎特別舞踊公演・南座

地唄三題は「鉤簾の戸」「黒髪」「鐘ヶ岬」でした。
ほどよい大きさの南座がこれほどしっくりくる劇場だといままで思ったことはありませんでした、飾られた赤い提灯は派手すぎずぼんやりして天井も品がよく客席のお客様には日本髪を結った芸者さんや着物を着慣れている落ち着いた雰囲気の方が多く それだけでせわしい日常とは違った空間だったのです。

玉三郎さんの舞踊を生で観ることができてほんとうに幸せでした、三題とも舞踊の終りの幕が下がるときの玉三郎さんの形が忘れられません、私が造形家だったらすぐにでも塑像をつくりたい!と思ったほどです、「鉤簾の戸」の肘をついて伏せているポーズ 柔らかくて可愛くて・・ こんな玉三郎さんをみるのははじめてです。
「黒髪」では豪華な打掛や鼈甲のおおきなたくさんの髪飾りに目を奪われましたが、そのうち玉三郎さんの背中 とくに襟足が着物に隠れるまでのラインがきれいで・・
「鐘ヶ岬」はさらに視線と目ぢからに注目しました、また これほどうつくしい着物は見たことがないと思いました、玉三郎さんの「真」と「品」を表すようなうつくしい布地だったのです。
コントロールされた照明や蝋燭のもとで踊られる舞踊はもちろんしっとりとしてすばらしく 昨年明治大学の講義で玉三郎さんがお話された例題の「真如の月を眺め明かさん」の歌詞もでてきて なるほどなるほどと拝見いたしました。

このような舞踊はお座敷で踊られる?
どのくらいの広さのお座敷?
何人くらいのお客様?
南座でちょうどいい大きさと思うのだけれど お座敷で披露される舞踊は現実にはどんな感じなのかなかなか想像できなくて・・玉三郎さんが監督をした「夢の女」にそんな場面はあったかしら。
なにしろ南座に流れていた「時間」は外とは全く違っていたわ、舞踊(地唄舞)公演の魅力に触れた京都でした。
地唄三題の舞踊公演は昨年のパリ・シャトレ劇場でも牡丹亭公演の前にあったのですが、そのときの「雪」「葵の上」「鐘ヶ岬」も予定にいれて観劇すればよかった といまさながらに思いました。
2014.6.21

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