国立能楽堂
「藤」 宝生流
前シテ 里の女 朝倉俊樹
後シテ 藤の精 朝倉俊樹 面:節木増 作り物:藤かけ松
展示室にて 宝生家伝来
紫地下り藤模様長絹(むらさきじさがりふじもようちょうけん)
18世紀 宝生喜内家伝来
節木増(ふしきぞう)
17世紀 加賀侯拝領
アフタートーク
宝生流第二十世宗家 宝生和英
前シテ 里の女は ゴールドと品のよい朱色(鬘帯や裏)の上に様々な色彩の花々が織り込まれたすばらしい装束で現れました、鬘帯は図案化された白紫えんじ色の藤が織り込まれて?刺繍?されていました、豪華です、面よりも装束に魅了されました。
後シテのすばらしいこと・・終わりまでずっと見とれました、長い黒髪に「節木増」という面をつけ ゆらゆら揺れる冠をつけています、長絹は紫の地 紫といってもとてもおちついた薄いあずき色とでもいうのかな、金の扇の箔?の上に白い藤が幾房もかかっています、抑えた朱や薄緑の葉もあり とても品がよいです、朱の袴?と白い足袋にとても映えています。
序の舞もたっぷりとしていて咲き誇る白藤を思いました、「節木増」という面がすばらしく とても華があってふわ~っとしていて 藤の精は見事でした、よいものをみせていただきました。
トークで宗家がおっしゃっていた 「能をオペラのようにみるのではなくて 美術館でみるように 個人的に心を静かにリラックスして じっくりと時間をすごしてください」 ということがとてもよくわかりました。
ほんとうに一枚の大きな絵を見ているようでした、「春のかたみ」の藤の花が風に散っていく様です、最後に地謡がうたいます、
かかれる松にうす花の、色紫の、雲の羽袖をかへす舞姫、歌へや唄へ折る柳落つる梅あるひは花の、鶯のさえずりの、声の匂ひも深みどり、英遠(あお)の浜風多枯の浦波、打ち散らし吹き払ひ花も飛び行く胡蝶の夢の、春の短夜明くる横雲に、光影さす朝日山の、光影さす朝日山の、梢に青葉や、残るらん(プログラムより)素敵な風景でしょう、短夜が明けたら新緑の世界が広がって終わります、アフタートークに登場した宗家は 「みなさん おはようございます!」 と言って登場しましたもの。
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