2010年4月14日水曜日

湯顕祖の牡丹亭(22)

中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)94頁
第22幕 旅中の寄寓 から

季節は冬、秋に苗舜賓とめぐりあい金一封と酒をいただいた柳夢梅は傘と風呂敷包という軽装で旅を続けていましたが、冬の寒さに風邪をひいて難渋しています、そこへ杜麗娘の家庭教師だった陳最良がやってきたので柳夢梅は助けを求めます。陳最良は近くの梅花観(杜麗娘の供養をするために建てられた)で養生するようにすすめます。
陳最良 あなたはどういう人かね。
柳夢梅 わたしは読書人だ。
陳最良 読書人ならば、お助けしよう。

柳夢梅
「三十にして家無く路人となり
 君と相見えて即ち相親しむ
 華陽洞のうち仙壇の上
 東風に近づくに似て別に因あり」

「読書人」は科挙(官僚)をめざす知識人のことだそう、杜麗娘の眠る地に柳夢梅がやっと登場したわ、これからのお話が楽しみ。

2009年11月に上海蘭心大劇院で行われた中日版牡丹亭で柳夢梅を演じたのは蘇州昆劇院の兪玖林さんでした、一途に杜麗娘を想う柳夢梅の役にぴったりで、とても涼しく柔らかい顔立ちで声が高く通り 掛け軸になっている杜麗娘の画に恋をする場面はなかなかに楽しくて見どころだと思うわ。

写真は2009年11月22日上海蘭心劇場で公演された牡丹亭カーテンコールでの柳夢梅役の兪玖林さん。

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