2011年1月29日土曜日

高野聖4

青空文庫 泉鏡花 高野聖 二十二
宗朝が蛭の森を抜けて深山(みやま)の孤家(ひとつや)にたどりつき、水浴びをし、夕餉を馳走になって、寝る支度をするところまできたわ。もちろん孤家の婦人(おんな)は坂東玉三郎さんと思って読み進めているわ。

真昼のように明るい月明かりの夜 孤家で婦人(おんな)がこの人と呼ぶ白痴(ばか)は いったい何かしら?人なのかしら?人だとしたら誰? 描写は操り人形のようであるのに
謡(うた)が唄(うた)えますわ。二ツ三ツ今でも知っておりますよ。さあお客様に一ツお聞かせなさいましなね。
と婦人(おんな)に言われて白痴が唄えば その清らかで美しい声は宗朝をして涙させるのです。
まず前(さき)の世のこの白痴(ばか)の身が、冥土(めいど)から管でそのふくれた腹へ通わして寄越(よこ)すほどに聞えましたよ。
 私は畏(かしこま)って聞き果てると、膝に手をついたッきりどうしても顔を上げてそこな男女(ふたり)を見ることが出来ぬ、何か胸がキヤキヤして、はらはらと落涙(らくるい)した。
ここの描写もすごいなぁ、いったい婦人(おんな)と白痴(ばか)の関係ってどういう…

博多座の坂東玉三郎特別公演のチラシには白痴のキャストはないわ、でてこないのね。

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