2011年8月13日土曜日

坂東玉三郎さんの楊貴妃

坂東玉三郎さんは一気に蓬莱宮へ連れていってくれました。

平安神宮大極殿にゆらめく照明があたり ここちよく吹き渡る風に 舞台はすでにこの世ではなく時空を超えた異次元のよう、虹色の雲が割れ 風にゆれる御簾から現れる楊貴妃の魂魄 とても!きれい!! 髪飾りも豪華、ためいきものだわ、キラキラした光に弱いわたしはうっとりと楊貴妃を眺める、蟾宮の嫦娥もかくあらん・・光輝く玉三郎さん。

唯是震一氏(花柳寿輔氏の傘寿の会では唯是氏が作曲した耳なし芳一の音楽がすばらしかった)の作曲による楊貴妃の音楽がすばらしく 琴の音が海神別荘のハープの音に似て 幽界にぴったりです。

その音楽にあわせて玉三郎さんが舞います、玄宗皇帝からの文を読むところ 皇帝との楽しい月日を懐かしむところ そして いまはもう会うことのできない身の上を悲しむところ それでも皇帝への想いは変わらないところを。

2010年に赤坂で昆劇牡丹亭の杜麗娘を演じられたように舞は確かで大きく華やか、また扇や水袖の扱いもなめらかですばらしく 貴妃酔酒の踊りのように床に腰を下ろすかのような低い姿勢で(扇をもつ?)両腕をひろげます、きっとその姿勢をとるのはたいへんな筋力がいるに違いない、両肘を頭の脇に高く掲げる姿勢も大好きだわ、ほんとうにきれいでした。

舞台左の夜空に北斗七星、天にも星がでて 玉三郎さんの向かいには月もでていたわ、京都に来る前はふたつ来ていた台風やゲリラ豪雨を心配したけれど きっと天には玄宗と楊貴妃がいらしてたのね。

七夕歌舞伎開演直前に鳩山由紀夫氏が着席しました、きっと一緒に大物浦や蓬莱宮へ飛んだと思うわ。
アンコールは5回、でも4回目は雲の扉は開いてもお姿が見えなかったような、いつまでも賞賛の拍手が続きました。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

素晴らしい舞台が見られてよかったですね。平安神宮での神秘的な世界をpascalも経験してみたかったです。

Christina さんのコメント...

次の機会にお時間があればぜひご一緒しましょう! Pascalさんの天文の星図などについていろいろと説明を聞きたかったです、そう 北極星は見えていたはず・・