2014年7月23日水曜日

巻貝の奥深く@高見順詩集「死の淵より」

梅雨があけて急に暑くなると 高見順のこの詩が読みたくなる。
堀井英男がこの詩集から10篇をえらんで詩画集「死の淵より」を創った、銅版画「巻貝の奥深く」のクールさったらない。

「巻貝の奥深く」 高見順詩集「死の淵より」
巻貝の白い螺旋形の内部の
つやつや光ったすべすべしたひやっこい奥深くに
ヤドカリのようにもぐりこんでじっとねていたい
誰かが訪ねてきても蓋をあけないで眠りつづけ
こっそり真珠を抱いて できたら そのまま ちぢこまって死にたい
蓋をきつくしめて 奥に真珠が隠されていることを誰にも 知らせないで

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