2010年8月8日日曜日

湯顕祖の牡丹亭(42)

同里退思園モザイク 


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)195~199頁
第42幕 鎮台を移す から

淮揚を治める杜麗娘の父杜宝は 淮安に鎮台を移動するため舟出します、途中対岸を走る早馬の知らせで 李全率いる軍が淮安府に迫っているため陸路で急いで淮安へ向かうことになりました。
杜麗娘の母の甄氏は夫と一緒では危険なので 臨安(杜麗娘と柳夢梅がいる)へ向かうことになりました。
(甄氏(泣く)) 娘はみまかり わが身はただひとり 
         乱軍のなか夫と別る

(杜・甄)   なんの命夫命婦といわん 
        すべてこれ*鰥寡孤独
        生くると死すと 夢と書と

(甄氏)    年老いて生き残れる 二人の命 互に支えん

(杜宝)    わがいまの身は この地の軍の長ぞ

(甄氏)    君が身いたわれかし 眼に満つるは兵戈
         一人の儒者おわす
*鰥寡(かんか):やもめの意

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