2010年8月17日火曜日

湯顕祖の牡丹亭(44)

蘇州昆劇博物館の模型から


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)206~210頁
第44幕 さしせまる苦難 から

杜麗娘は合格の知らせを待っていますが 柳夢梅は受験に出かけたままの姿で戻り、淮揚に金の兵が攻めてきたので合格の宴は中止になったといいます、杜麗娘は淮揚にいる父母が心配でたまりません、柳夢梅に淮揚に行き両親の様子を見てきてほしいと頼みます。

むこうで杜麗娘の両親に会ったら回生のことをどのように話そうと二人で相談します、
(杜麗娘)
話さば妖のごとく 怪のごとくにして
父君はかたくなに 取りあわず肯うまじ
そう、よいことがございます。
わたくしの絵姿をお持ちになって下さいませ。
もし一幅の春容を見ば
二人のえにし 問わで叶うまじ
ただ説かれかし
天つ神の記されし 姻縁の定め
思いもかけず来り 忽ちに墓の戸を開けたりと

(柳夢梅)
われひたすらに望みしは 駟馬の車もて岳父の家
離魂の女と誇らかに 訪なわんことなりき
誰か思わんや
み親を尋ぬるに 戦のそばを行き
貧書生の身の 装束も整わざらんとは


柳夢梅は淮揚へ旅立ちます。

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