2010年7月3日土曜日

湯顕祖の牡丹亭(32)

蘇州滄浪亭から


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)146頁~156頁
第32幕 幽魂と誓う から

うたた寝をして夢のなかで柳夢梅と恋におちてから病を得て亡くなった杜麗娘のはかなさとくらべて この幕の杜麗娘の恋愛偏差値が高いこと、幽霊の身でありながらやっと巡り会った柳夢梅の心をしっかりつかんで墓を掘り返す気にさせてしまうの。
(柳夢梅)
神に祈って正妻とすることをおもとめならば、お嬢さまといっしょに焼香に参りましょう。
(柳夢梅・杜麗娘)(ともに礼拝する)
ああ 神さま 神さま
盟の香 さわに焚く 柳夢梅 この柳夢梅
南安の郡舎にて この佳人に遭い
手をとりかわし 夫妻のちぎりかためん
生きては室を同じくし 死しては穴を同じくせん
口と心とひとしからずば 命は香とともに亡びん
神に誓ったのち杜麗娘は身の上を語ります、そして墓を掘るよう頼みます。
(杜麗娘)
わが棺は 石を畳むこと三尺
君は鋤をもち われとともに掘れ
冥界の風の さっと吹き来るも
この世との隔てぞ わずかなる
最後まで柳夢梅は精気あふれる杜麗娘が亡霊だと思えませんが 言われたとおりにしてみようと道姑へ相談にいきます。

0 件のコメント: