2010年7月9日金曜日

湯顕祖の牡丹亭(34)

中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)162~163頁
第34幕 薬をさぐる から

まだ杜麗娘が存命であったころ家庭教師をしていた陳最良は以前のように薬屋を開いています。扱っている薬といえば・・
土:男が物の怪にやられたときに清水で飲むと治るという寡婦の寝床の土
布:婦人に物の怪がついたときに焼いて灰にしたしたものを飲ませると利くという壮年男子のふんどし 
それなら自分たちの持ち物が役に立つと陳最良と石道姑は盛り上がります。

石道姑は 小道姑が邪神に会って命を落としたと言って蘇生させる薬を求めます、陳最良は「焼襠散」を処方します。
陳最良
一寸四方にきりとって 焼いた灰をば 酒で調え
かみあわせた歯をおしあけ 少量をば ふくませる
なみなみならず 魂を安んじ魄を定め
*返魂香(はんごんこう)にもまさるなれ
*返魂香:この香を焚くと煙の中に死者が現れるとされる、命を呼び戻す神薬

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