2010年7月11日日曜日

湯顕祖の牡丹亭(35)

蘇州滄浪亭庭園の太湖石


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)164~168頁
第35幕 回生 から

後花園へ杜麗娘を回生させようとやってきたのは柳夢梅と石道姑、その甥の「癩頭黿(おでき)」、石道姑は梅の木の下の土饅頭が杜麗娘の墓だと教えます、
柳夢梅
土地の神さま、今日お墓を開きますのは、ひたすら杜麗娘を蘇らせたいと願うからでございます。 お嬢さま、死んでいてはいけません。 活きてほしいのです。
と言って3人で墓を掘ります。すぐに棺は見つかり蓋をとり中を見ると、
あれ 上には塵だもなく 傍らには一匹の蟻もみず
幽かなる暖き香 四片の美しき木
黄泉への路に 芳姿は潤い
五色の*燕支(べに)に 花身を養う
さっそく助けおこし酒でといた還魂丹を飲ませます、しかし3年も眠っていた杜麗娘は朦朧としています、柳夢梅と石道姑は杜麗娘を梅花観の中へ導きます。
柳夢梅
死してありしを 地獄より救い出しぬ
七香湯もてきよめ 美食もて相扶けん
同里嘉蔭堂室内

*燕支(べに):その昔燕支山はベニバナで有名だったそうです。

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