2018年5月24日木曜日

能 杜若 金春流

2018.5.18
国立能楽堂
杜若(かきつばた)金春流
シテ 杜若の精 櫻間金記 面:節木増
ワキ 旅僧 野口能弘

三河の国八橋(やつはし)では杜若の花が咲き誇っています、むかし在原業平が「かきつばた」の五文字を入れた句「唐衣着つつなれにし妻しあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ」を詠んだところです。
旅の僧は出会った女の庵に泊まります、その夜 二条后藤原高子の衣をまとい業平の冠をつけた杜若(かきつばた)の精が現れて舞います。

能舞台上で業平の冠をつけ 高子の長絹をまとった杜若の精は もとの女でもなく高子でもなく眉根をよせた中将の面をつけた業平でもなく ふわっとした節木増の面はたしかに女の面なのですが 業平の冠のせいで 女とは見えず「ふわっと軽く美しいなにか」で、とても若い業平?はこうであったのかも?と思いました。

しばらく舞をみせてくれ素晴らしいときを過ごしました。
光普き月やあらぬ、春や昔の春ならぬ我が身ひとつは、元の身にして、本覚真如の身を分け、陰陽の神と言はれしも、ただ業平の事ぞかし、かように申す物語疑はせ給ふな旅人遥々来ぬる唐衣、着つつや舞を奏づらん(地謡 プログラムより)

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