国立能楽堂
西行桜 観世流
シテ 老桜の精 梅若万三郎 面:皺尉
ワキ 西行 宝生欣哉
ワキツレ 花見人 殿田謙吉 他三名
深い緑の絹で覆われ枝垂れ桜の花が咲く作り物が静々と登場します。
西行庵では桜の老木が見事な花を咲かせています、その美しさを独占するため西行は花見禁制にしますが花見の人が桜を求めて押しかけます。 これは桜の咎(とが)ではないかと西行が歌を詠むと夜になって老桜の精が現れ 桜の咎 について問答し舞います。
すばらしかったです!こういうお話は大好きです、輝く白髪 品のある微笑んでいるような皺尉の面、決して派手ではない衣装なのに印象的な姿で魅せます。
さて桜の咎は何やらん作り物のなかでジッと座る老桜の精ですが西行へ顔をむけるときに機械仕掛けの人形のようにすこしずつゆっくり首が動きいつの間にかこちらを向いているのです、正面右手奥の端の私と目が合ったように思えました、それからいつ動くのか目が離せなくなりました、とても面白かったです、最後までとても楽しみました。
浮世と見るも山と見るも、ただその人の心にあり、非情無心の草木の、花に浮世の咎はあらじ(老桜の精 プログラムより引用)
皺がこんなにすばらしいものとは!
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