2010年6月27日日曜日

湯顕祖の牡丹亭(28)

同里退思園中庭


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)126頁
第28幕 幽魂とのちぎり から

ここは柳夢梅が病を癒しに逗留している梅花観、幽霊になった杜麗娘は自分を呼ぶ声に気づいていました、さまよううちに東房を覗くと生前の絵姿を描いた掛け軸をみつけます、そこに足された一句に「柳夢梅」の名を見て因縁を感じ、前夢を完うしたいと思います。 
ある夜 柳夢梅は寝言をいいます。
他年蟾宮の客に傍うを得ば
是れ梅辺ならずば是れ柳辺、
ああ お嬢さん
これを聞いた杜麗娘は扉をたたいて柳夢梅を起こし再会します。
(杜麗娘) 
・・牡丹亭のほとり 嬌めかしき夢
築山のほとり 羞しき夢
書読む窓べ 風ぞ訪なう
この良夜ともに語らば
清風名月もものならず
柳夢梅も応えます。
・・われを知りて訪いぬ
北斗はかたむき 花低く垂る
かかる夜更け 花も睡らん
笑いさざめき 口ずさめば 風月も及ばず
艶にして嬌めかしき君よ 思いのままに遊ばん
君わずらわさんも わずらわすはしばし

(杜麗娘)
あなたさま。 とくと調べませ 春たつ風の初花を
このあと夜毎杜麗娘は柳夢梅のもとを訪れることになります。

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