2010年6月29日火曜日

湯顕祖の牡丹亭(30)

同里退思園2階渡り廊下


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)138頁
第30幕 歓楽の邪魔 から

今夜も杜麗娘が訪ねて来ました。
柳夢梅
それにしても、あなたのお出でになる足音の軽いのは、なぜでしょう。
杜麗娘
”自然は跡無くまた塵無し
柳夢梅
 白日尋思して夜夢頻(しき)りなり
杜麗娘
 行きて窓前に到り未だ寝ねざるを知る
柳夢梅
 一心惟だ待つ 月夫人”
石道姑と小道姑は声の主を確かめようと部屋へ押し入ります、その時、風がおこり杜麗娘は身をかわして消えてしまいます。
石道姑
屏風より人ぬけ出し 歌いつ舞いつ
君と相和せし 妖魔ならずば
なにの人影ぞ 風を望みてかくれし
柳夢梅はせっかくの逢瀬を邪魔され「興ざめだ 興ざめだ」とがっかりします。

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