2010年9月5日日曜日

湯顕祖の牡丹亭(48)

蘇州滄浪亭回廊


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)227~235頁
第48幕 母と子の奇遇 から

ここは臨安 杜麗娘にたのまれて柳夢梅は父母の様子をみに淮城へでかけています、部屋の油をきらして暗いので石道姑に油をたのみ 杜麗娘は月を見ながら柳夢梅に想いをはせています。

そこへ杜麗娘の母甄氏と侍女春香が戦の難を逃れてやってきます、たまたま開いていた扉から入り 月明かりに照らされた女性をみて 杜麗娘?いや杜麗娘の幽霊にちがいないと思います。杜麗娘も二人の旅人が母と侍女にそっくりなのでおどろき どこから来たのか尋ねます。互いに信じられない気持ちでいるところへ石道姑が帰ってきます、
石道姑(甄氏を引張って、麗娘を照らす)
疑うをやめよ 燈火を近寄せ
月の光に詳しく見よ 
そのかみの人の面輪を
石・杜
そのかみの人の面輪を

甄氏(麗娘を抱いて泣く)
三年の間の腸断つ思い 
海に堕ちし明珠の いかで再び還り来んや
甄氏と春香は「梅」と「柳」の字がある書生の柳夢梅が墓を堀り杜麗娘を回生させたことを聞きます、
甄・麗
今宵はいずれの年ぞ 今宵はいずれの年ぞ
今し相逢えるも 夢にあらずや

石・甄・春
かかる奇縁 かかる奇縁
輪廻にまされり
蘇州昆劇博物館模型から

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