2010年9月11日土曜日

湯顕祖の牡丹亭(50)

蘇州昆劇博物館から


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)240~247頁
第50幕 宴席をさわがす から

一通の書面で敵軍の包囲を解いた杜麗娘の父杜宝は例年より盛大に太平宴を催しています、そこへ伝令がきて
勅旨を以て閣下を朝廷にご召還、同平章軍国大事に昇任せしめられ、夫人には一品貞烈夫人をご追贈の由でございます
と杜宝の昇進・帰国の命を伝えます。

文武官一同が杜宝を寿ぐなか、柳夢梅が杜宝に面会を求めて門の外で騒ぎを起こします、騒ぎは何事と問えば
朝参りました嫡親の女婿という、どうにもならない奴でございます。ぼろぼろの着物にぼろ帽子、ぼろ包、ぼろ傘、という身なりで、手にぼろ絵を一幅もっておりまして、腹が無茶苦茶に減ったと申して、宴席に乗り込もうといたしました。なだめますと、殴りかかりまして、わたしの顔の半分だけを残して、続けざまに九つ半殴りました。
柳夢梅は杜宝から「何処の素寒貧がでたらめを言うのだ」と縛られて臨安へ送り返されることになりました。
柳夢梅
うむ、冤罪だぞ。ああ、妻よ。
たとえ見映えが良くても すでに亡くなっている娘の婿と名乗られて そうですかと信じるはずもないわよね Margaret.

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