2010年9月21日火曜日

湯顕祖の牡丹亭(53)

蘇州滄浪亭看山楼


中国古典文学大系53戯曲集下還魂記(岩城秀夫訳)255~264頁
第53幕 拷問 から

貧しい身なりの柳夢梅は杜麗娘の父杜宝に女婿と信じてもらえず臨安に送り帰され土牢に入れられています。杜宝は柳夢梅の持ち物を調べ杜麗娘の絵姿を確認しますが それは柳夢梅が墓を暴き盗んだものだと思います。柳夢梅はいかに心をくだいて杜麗娘を回生させたかを述べますが 信じてもらえず 梁に高く吊るされて桃の枝(桃の木は幽霊封じに植える)で打たれます。
(柳夢梅)
令嬢のために われ 絵姿に礼拝して叫び
令嬢のために われ 幽期を展(ひら)かんと
恐ろしきことにふけり
令嬢のために われ 香を焼き墓を開き
令嬢のために われ 霊丹に唾して心孔を活かし
令嬢のために われ 体を温め肌に血の気を通じ
令嬢のために われ 洗い潔めて心さやけくし
令嬢のために われ 情のうち通じ睦みあう
令嬢のために われ 腕ひらきて軽やかに送り
令嬢のために われ 温柔の香 陽気もておさめ
令嬢のために われ 一命なげうち陰き道に入り
神に通ずる力もて 医療ほどこし 
生き返らしめぬ
通ずるは通ぜしも 今に至るに風月の功なし
つづく・・

同里嘉蔭堂から

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